古着を購入した際「丈が少し長い」と感じた経験はありませんか?
裾上げは、古着を自分にぴったりのサイズに調整し、美しいシルエットを作るための重要な工程です。
この記事では、ジーンズやデニム、ウールコートなどアイテム別に最適な裾上げの仕方を詳しく解説。
自分でできる方法からプロに依頼する際の注意点まで、古着専門の視点でわかりやすく紹介します。
古着の裾上げの基本的な方法
古着の裾上げには、アイテムの素材や用途に応じてさまざまな方法があります。
ミシン縫いやまつり縫い、チェーンステッチなど、それぞれ仕上がりや雰囲気が異なるのです。
古着の風合いを残しつつ、自分のスタイルに合わせて調整することが大切。
特にデニムやウールコートのように素材が厚い場合は、専用の道具や知識が必要になります。
ここでは、代表的な裾上げ方法を詳しく見ていきましょう。

ミシン縫い
ミシン縫いは、裾上げの中でも最も一般的な方法です。
ジーパンやデニム、チノパンなどの厚手素材にも対応しやすく、仕上がりが丈夫で長持ちします。
古着の場合、糸の色や太さを既存の縫製に合わせることで自然な印象になるでしょう。
ミシンを使う際は、縫う前にしっかりとアイロンで折り目をつけ、仮止めしておくことがポイントです。
直線縫いが基本ですが、デニムなどはチェーンステッチ風の仕上げにすることでよりヴィンテージ感を保つことができます。
まつり縫い
まつり縫いは、スーツやウールコートなど、表に縫い目を出したくない場合に適した方法です。
針目が表にほとんど見えず、上品な印象に仕上がります。
古着のウールコートなどを裾上げする際は、既存の縫製部分に負担をかけないように注意が必要です。
生地が厚い場合は、専用の針や糸を使うと仕上がりがきれいになります。
裾のラインを崩さないよう、折り返し幅を均等に保つことが美しく見せるコツです。
チェーンステッチなどの違い
チェーンステッチは、特にデニムやジーンズの裾上げに使われる伝統的な縫製方法です。
糸がループ状につながっているため、裾部分に独特の“うねり”が出て、ヴィンテージデニム特有の風合いを生み出します。
一方で、一般的なミシン縫いやロックミシン仕上げは、強度と安定感が高いのが特徴。
古着の持つ雰囲気を重視する場合はチェーンステッチ、耐久性を優先するなら通常のミシン縫いを選ぶと良いでしょう。
仕上げ方で印象が大きく変わるため、目的に応じて使い分けが大切です。
古着ジーンズ・デニムの裾上げ方法

古着のジーンズやデニムは、裾上げの仕方ひとつで印象が変わります。
特にヴィンテージデニムでは、チェーンステッチやセルビッジ仕様など縫製が特徴的です。
裾上げをする際は、元のディテールをできるだけ残すことが重要。
間違った方法で縫うと、生地のねじれや色落ち具合が変化してしまうことも。
ここでは、ジーンズの裾上げで注意すべきポイントを3つに分けて紹介します。
チェーンステッチ仕上げの特徴
チェーンステッチは、ヴィンテージデニム愛好家に人気の裾上げ方法です。
裾部分がねじれるように波打つ“パッカリング”が生まれ、穿き込むほどに独特のアタリが出ます。
古着のジーパンを裾上げする場合、オリジナルがチェーンステッチなら、同じ仕上げを選ぶことで自然な見た目になるでしょう。
専用のユニオンスペシャルミシンを使用する店舗を選ぶと、本格的な仕上がりが得られます。
チェーンステッチは伸縮性もあり、長く穿いても糸切れしにくい点も魅力です。
セルビッジデニムの裾上げ注意点
セルビッジ(赤耳)デニムを裾上げする際は、耳のラインを崩さないよう注意が必要です。
生地端の赤いステッチを残すことで、デニムの価値や雰囲気を維持できます。
古着のセルビッジデニムを短くする場合は、オリジナルの裾部分を再利用する“裾残し”リペアもおすすめです。
これは元の裾を切り取り、希望の長さに縫い直す方法で、ヴィンテージ感を保ちながら丈を調整できます。
丁寧な採寸と縫製技術が求められるため、専門店での依頼が安心です。
古着の風合いを損なわないコツ
古着のデニムは、経年変化や色落ちが魅力。その風合いを損なわずに裾上げするには、元の縫い糸の色や太さを合わせることがポイントです。
また、新しい裾が硬すぎる場合は、一度洗ってなじませると自然な風合いになります。
裾上げ後にアイロンで軽くプレスし、折り目を整えることで仕上がりが美しくなるでしょう。
ヴィンテージデニムの味わいを活かすなら、リペア店で“ユーズド感を残す仕上げ”を指定するのもおすすめです。
コートの裾上げの仕方|ウールコートなど素材別のポイントン
古着のコートは素材によって裾上げの難易度が大きく変わります。
ウールやカシミヤなどの天然素材は厚みと柔らかさがあり、間違った処理をすると型崩れや波打ちの原因に。
シルエットを崩さず仕上げるには、素材に合った方法を選ぶことが大切です。
ここでは、素材別の注意点とプロが実践するコツを解説します。

ウール・カシミヤなどの素材の扱い方
ウールコートやカシミヤ素材は、熱や摩擦に弱いため慎重な扱いが必要です。
裾上げの際は、まず生地の方向(毛並み)を確認し、折り返し部分をアイロンで軽く押さえます。
縫製には太めの糸と専用の針を使い、布の表に針目が出ないよう“まつり縫い”で仕上げるのが基本です。
古着のコートは生地が劣化していることもあるため、下糸に伸縮性のある糸を使うと安心。
高価なウールコートは、専門の仕立て直し店に依頼するのがおすすめです。
コートのラインを崩さずに裾上げするコツ
コートの裾上げで最も重要なのは、シルエットを維持すること。
特にAラインやステンカラーコートの場合、裾を詰めすぎるとバランスが崩れてしまいます。
裾を短くする際は、全体のバランスを確認しながら少しずつ調整することがポイント。
古着のコートは生地のクセが残っているため、仕上げ前にスチームアイロンで形を整えると美しく仕上がるでしょう。
縫い代部分には芯地を貼り、裾の波打ちを防ぐとプロのような仕上がりになります。
専門店に依頼すべきケース
ウールやカシミヤなど高級素材の古着コートは、自分で裾上げするよりも専門店に依頼するのが安全です。
特に裏地付きコートやダブル仕立てのものは、構造が複雑で個人での加工が難しい場合があります。
専門のリフォーム店では、元のステッチや折り返し幅を再現しながら裾を調整してくれるため、見た目が自然です。
費用はやや高めですが、仕上がりのクオリティを考えれば十分に価値があります。
お気に入りの古着を長く着たい人におすすめです。
裾上げを依頼するお店の違いと費用相場

古着の裾上げを依頼する場合、どの店舗を選ぶかで仕上がりと価格が変わります。
一般的にはリペアショップ、クリーニング店2タイプがあります。
ジーンズやデニムの裾上げならリペアショップ、ウールコートなどの繊細な素材なら専門店が最適です。
ここでは、お店ごとの特徴と費用相場を解説します。
リペアショップ
リペアショップは、ジーンズやデニムの裾上げに強いお店です。
チェーンステッチや裾残し加工など、古着特有の仕上げに対応しているのが特徴。
特にヴィンテージデニムの場合、ユニオンスペシャルミシンを使用して本格的に仕上げてくれる店舗もあります。
費用は1,500円〜3,000円程度が相場で、依頼から1週間以内で仕上がることが多いです。
古着の風合いを大切にしたい人にとって、リペアショップは最もおすすめの選択肢になります。
クリーニング店
クリーニング店でも裾上げサービスを行っている場合があります。
特にウールコートやスラックスなどの“きれいめ古着”の裾上げに最適。
ミシン縫いやまつり縫いなど基本的な加工に対応しており、価格も1,000円〜2,000円程度と比較的リーズナブルです。
ただし、チェーンステッチなどの特殊縫製には対応していないことが多いため、デニムには不向き。
仕上がりの丁寧さを求めるなら、職人常駐の店舗を選ぶと安心です。
自分で裾上げする方法|初心者でもできる簡単ステップ
自分で裾上げを行うことで、費用を抑えながら古着を自分好みに調整できます。
特に軽めのパンツやスカートなら、手縫いやミシンで十分に対応可能です。
初めてでも失敗しないためには、仮止めや折り幅を丁寧に確認することが大切。
ここでは、初心者でもできる簡単な方法を2つ紹介します。

手縫い
手縫いによる裾上げは、ミシンがない人や細かい仕上げを求める場合におすすめです。
まつり縫いを使えば表に糸がほとんど見えず、スーツやウールコートの裾上げにも最適です。
古着の場合は、生地が劣化していることもあるため、針を通す際に力を入れすぎないよう注意しましょう。
縫い目を均一に保ち、最後にアイロンで軽くプレスすると美しいラインが出ます。
初心者でも練習すれば、十分にプロのような仕上がりを目指せるでしょう。
ミシン
ミシンを使った裾上げは、スピーディーで丈夫な仕上がりが魅力です。
特にジーパンやデニムなど厚手素材には最適。
古着デニムを縫う際は、厚地用の針と太めの糸を使用し、縫い目を既存のラインに合わせると自然です。
裾を折り返す前にアイロンで折り目をつけ、仮止めしてから縫うとズレを防げます。
家庭用ミシンでも直線縫い設定で十分対応可能。
裾を縫い終えた後は、縫い代を内側に整え、仕上げにスチームアイロンを当てると完成度が上がります。
オンラインで依頼できるおすすめ裾上げサービス

近年では、店舗に行かずに裾上げを依頼できるオンラインサービスも人気です。
古着を宅配で送るだけで、専門スタッフが希望の丈に仕上げてくれます。
外出せずに済むため、忙しい人にも便利です。
ここでは、信頼性が高く口コミ評価の良い裾上げサービスを紹介します。
おしゃれ工房 オンライン
全国展開する「おしゃれ工房」も、オンライン裾上げサービスを展開しています。
特にスラックスやコートの裾上げに定評があり、細かい丈指定も可能です。
熟練スタッフが素材や縫製に合わせた最適な方法で仕上げてくれるため、古着のリメイクにも最適。
注文フォームで「まつり縫い」「ミシン仕上げ」などを指定できる点も便利です。
費用はパンツで約1,500円〜、コートで約3,000円〜。
仕上がりの品質と安心感を重視する方にぴったりです。
ママのリフォーム 宅配サービス
「ママのリフォーム」は全国に店舗を展開する衣類リフォーム専門店。
宅配サービスでは、ジーパンやデニムの裾上げからウールコートの丈詰めまで幅広く対応しています。
古着特有のダメージ部分を考慮しながら、自然な仕上がりに整えてくれるのが特徴です。
オンラインで依頼後、専用袋に古着を送るだけで完了。
料金はデニムで1,800円前後、コートで3,500円程度。
品質・対応・価格のバランスが取れた人気サービスです。
裾上げで古着を“自分サイズ”に|長く愛用できる1着へ
裾上げは、古着を自分にフィットさせるための最も基本的で重要な工程です。
ジーンズやウールコートなど、素材に合わせた方法を選べば、見た目も着心地も格段にアップします。
自分で挑戦するもよし、プロに依頼するもよし。大切なのは、愛着のある古着をより長く、自分らしく楽しむことです。
丁寧な裾上げで、お気に入りの1着を“自分サイズ”の永遠の相棒に仕立てましょう。

コメント