近年、古着市場で再評価が進むReebok(リーボック)。
スポーツ×ストリートの融合スタイルとして、90年代ファッション好きにも高い人気を誇っています。
中でも注目すべきなのが、タグのデザインや表記の違いです。
年代によって大きく変化しているため、タグを見ればそのアイテムの製造時期や希少性を見分けることが可能です。
この記事では、Reebokのタグを年代ごとに解説し、代表的な特徴や見分け方を紹介します。
【1970〜1980年代】クラシックロゴ&ユニオンジャックタグ
Reebokがスポーツブランドとして世界に広まり始めた初期の時代。
この頃のアイテムには、イギリス発祥を象徴するユニオンジャック(イギリス国旗)がタグにデザインされているのが特徴です。
クラシックなロゴとユニオンジャックの組み合わせ
タグには、筆記体のReebokロゴやブロック体のロゴとともにユニオンジャックが配置されています。
カラーパターンは赤・青・白のフルカラーが基本で、特に「Reebok Great Britain」と書かれたタグはヴィンテージ市場で非常に人気です。
当時はMADE IN ENGLAND(イングランド製)と表記されたものが多く、製造国の表記も希少価値を見分けるポイントになります。
使用されていたアイテムと当時の背景
1970〜80年代のReebokは、現在のようなグローバルブランドではなく、英国を中心としたスニーカーメーカーとして活動していました。
このタグが使用されていたのは、主にレザー製トレーニングシューズやランニングシューズ、Tシャツ、トラックジャケットなど。
イギリス国内の小規模工場で生産されているため、同じデザインでも若干仕様が異なることもあります。
特に有名なのが、1982年に登場した「Freestyle(フリースタイル)」という女性向けフィットネスシューズで、のちに世界的ヒットとなりますが、初期ロットにはこのユニオンジャックタグが付いています。
この時代のReebokは「スポーツ×英国」という独特の個性が光る時期。
タグを見るだけで、そのクラシックな雰囲気と時代背景が伝わってくる貴重なディテールです。
【1990年代】ベクターロゴ(Vector Logo)の登場

Reebokのブランディングが大きく変わった90年代。
現在でも定番として愛される「ベクターロゴ」がこの時代に誕生し、Reebokの象徴として浸透しました。

ベクターロゴとは?ロゴの変化と特徴
ベクターロゴとは「Reebok」の文字の上にスピード感のあるライン(ベクター)を重ねたデザイン。
ロゴ自体が右上に傾いており、動きや勢いを感じさせるのが特徴。
カラーは白地に青や赤、グレーなどの配色で、アイテムによって微妙に異なります。
タグではこのロゴが刺繍またはプリントで表現され、今までのクラシックロゴから一新された印象を受けます。
主に使われた製品とタグの特徴
このロゴは、トラックジャケット、ナイロンプルオーバー、バスケットシューズ、サッカーウェアなどに多く使用されました。
タグの素材はナイロン製やポリエステル混、刺繍や熱圧着タグなどバリエーションがあります。
製造国表記は「MADE IN KOREA」「MADE IN PHILIPPINES」など、アジア圏が主流になり、タグ表記も多国語対応になるケースが増加。
90年代のReebokは、まさにストリートカルチャーとスポーツが交差する象徴的な存在。
現在もこの時代のアイテムはヴィンテージ市場で人気が高く、再評価が進んでいます。
【2000年代】スタイリッシュな現代ロゴへ
2000年代に入ると、Reebokはより機能性・軽量性・ミニマルなデザインを追求し、ロゴもシンプルで洗練されたものに変化していきます。
タグデザインとロゴの特徴
この時代のReebokロゴは、文字のみの「Reebok」ロゴ(細字・直線的フォント)が中心。
ベクターロゴを残しつつも、より現代的にアレンジされたものも存在します。
タグは熱転写タグ(ボディに直接プリント)やシールのようなラミネートタグが主流になり、肌に優しい仕様が増加。
このロゴは、スポーツウェアだけでなくカジュアルウェアにも展開され、ブランドとしての裾野が広がりました。
この時代の製品とタグの見分け方
Reebok Classicシリーズや、フィットネス・ランニング向けのアイテムに多く採用。
「MADE IN CHINA」「VIETNAM」「INDONESIA」などの表記が増え、製造国の表示が英語のみになるケースが増加。
タグは非常にシンプルで、洗濯表示とサイズ表記が小さくプリントされているのみであることも多いです。
2000年代のReebokは、一見すると地味に見えますが、軽量化されたタグや現代的デザインは、現行モデルとの差を見極めるヒントになります。
【2010年代以降】デザイナーズとのコラボ&新ロゴ

2010年代からは、Reebokがファッション業界との距離を縮め、コラボレーションモデルを積極的に展開する時代へと突入しました。
タグにもその変化が色濃く現れています。

新ロゴとブランドコラボによるタグの多様化
2014年頃から、ブランドロゴが再度刷新され、ベクターロゴの復刻・再設計版が登場。
タグには「Reebok CLASSIC」「Reebok × [デザイナー名]」「Reebok by Maison Margiela」など、コラボ特有の記載があることも。
コラボラインでは、タグの形状自体が特殊な仕様になっているケースもあり、裏地の内タグや紙タグにブランド名が併記されていることが多いです。
コレクターが注目するタグとアイテム
コラボタグは、ファッション性と希少性からコレクターアイテムとしての価値が高まっています。
代表的なコラボ
Reebok × Vetements(ヴェトモン)
Reebok × Maison Margiela(マルジェラ)
Reebok × Pyer Moss(パイヤーモス)
タグは一見シンプルでも、限定品・ナンバリング・スペシャルライン表記があるものは特に貴重です。
この年代は、Reebokが「スポーツ」だけでなく「ファッション」のブランドとしても認知され始めた重要な時代。
タグに刻まれた文字が、その証明とも言えます。
Reebokタグで知る年代の魅力と価値
Reebokのタグは、ブランドの歴史と共に進化しており、それぞれの年代で異なる魅力があります。
特に、ユニオンジャック付きの70〜80年代モデルや、ベクターロゴの90年代アイテムはコレクターからの需要も高めです。
古着屋でReebokを見かけたら、まずはタグを確認してみましょう。
タグ一つで、そのアイテムが持つ背景や価値がグッと見えてきます。

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