アメリカのライダースジャケットの代名詞ともいえる「ショット（Schott）」。
1913年の創業以来、ワークウェアやミリタリーウェアを手掛け、世界初のジッパー付きライダース「ワンスター」など数々の名作を世に送り出してきました。
この記事では、ショットの歴史を年代ごとに紹介し、タグによる年代判別方法、人気モデルの特徴、そして偽物の見分け方まで詳しく解説します。
古着市場でのショット選びに役立つ保存版ガイドです。
ショットの歴史とブランドの歩み
ショット（Schott）は1913年にアメリカ・ニューヨークで誕生した老舗ブランドで、ワークウェアやミリタリーウェアの製造を通じてその名を築いてきました。
特に世界初のジッパー付きライダースジャケット「パーフェクト（Perfecto）」の開発は、バイカーやロックミュージシャンからの絶大な支持を得て、今もなおライダースジャケットの代名詞となっています。
ここでは、創業から現在までのショットの歴史とブランドの歩みを時代背景とともに詳しく解説していきましょう。
創業期（1913年〜1940年代）｜ワークウェアとミリタリー供給
1913年、ニューヨークでアーヴィン・ショットとジャック・ショット兄弟が創業。
当初はレインコートや作業着を製造していました。
第二次世界大戦中には軍用のピーコートやフライトジャケットを供給し、米軍の信頼を獲得します。
発展期（1950年代〜1980年代）｜ライダースジャケットの確立
1950年代、世界初のフロントジッパー付きライダースジャケット「Perfecto（パーフェクト）」を発表。
特に1960〜70年代にはワンスター（One Star）がロックアイコンに愛用され、映画『乱暴者』やパンクムーブメントで象徴的存在となりました。
現代（1990年代〜現在）｜古着市場での人気と多様化
90年代以降、日本の古着ブームでショットのライダースは再評価され、復刻モデルや限定コレクションも多数登場。
現在ではアメリカ製ラインに加え、軽量で現代的なフィットのモデルも展開し、幅広い層に愛されています。
ショット（schott）の年代別タグと特徴
ショットのジャケットは、年代ごとにタグのデザインや素材、表記が異なり、これがヴィンテージ市場での年代判別の重要なポイントとなっています。
正確にタグの違いを理解することで、古着の真贋判定や価値を判断するときに役立つでしょう。
ここでは、主な年代ごとのタグの特徴と、その見分け方について詳しくご紹介します。
1950〜1970年代｜白タグ・黒タグの初期デザイン
50年代〜60年代は白地に黒文字の「Perfecto by Schott Bros」タグが多く、70年代にかけて黒地に金文字タグも登場します。
1980〜1990年代｜星条旗タグとMADE IN USA表記
80年代からは星条旗デザインのタグが採用され「MADE IN U.S.A.」の表記が明確に。
革質は厚手で重厚感があります。
2000年代〜現在｜現行タグと復刻タグ
現行品ではシンプルなロゴタグが多く、復刻モデルでは当時のタグを忠実に再現。
タグと製造番号の組み合わせで詳細な年代特定が可能です。
ショット（schott）の人気モデル一覧と特徴
ショットには数多くの名作モデルが存在しますが、その中でも特に人気を集める定番モデルは、デザインや機能性、歴史的背景のいずれもが優れています。
ここでは、古着市場でも高値で取引される代表的なモデルと、その特徴を詳しく紹介。
ワンスター（One Star）
ショットを象徴するモデル。
肩のエポーレットに星型スタッズが付くデザインで、60〜70年代のヴィンテージは高額取引されます。
パーフェクト（Perfecto）
世界初のジッパー付きライダース。
映画『乱暴者』でマーロン・ブランドが着用し一躍有名に。
641 / 641XX
シングルライダースタイプ。
シンプルで合わせやすく、現行でも人気が高い。
740N ピーコート
米海軍に供給されたピーコートの民間版。
厚手メルトンウールを使用し、防寒性抜群。
ショット（Schott）の偽物の見分け方
ショット（Schott）は世界的に人気の高いブランドゆえ、古着市場やネットオークションでは偽物や粗悪なコピー品が出回ることがあります。
特にヴィンテージのワンスターやパーフェクトは高額取引されるため、真贋の見極めは必須です。
購入前にチェックすべき注意点を押さえておけば、失敗や後悔を防ぐことができます。
- タグの再現度：偽物はタグの刺繍や印刷が粗い。星条旗の色や位置に違いがあることも。
- 革質の違い：本物は厚みと重みのあるカウハイドやステアハイドを使用。偽物は薄く軽いことが多い。
- 縫製の精度：本物はステッチが均一で、カーブ部分も美しい仕上がり。
- ジッパーの種類：本物はTALON、YKK、IDEALなど正規の金具を使用し、動きがスムーズ。
レザーのお手入れ方法｜ショットを長く愛用するために
ショットのレザージャケットは丈夫で長持ちしますが、適切なお手入れをすることで風合いや耐久性がさらに向上します。
特に古着やヴィンテージ品は乾燥やひび割れのリスクがあるため、日常的なケアが重要です。
基本のケア方法
- ブラッシング：柔らかい馬毛ブラシでホコリや汚れを落とします。
- 乾拭き：乾いた柔らかい布で全体を拭き、皮脂や汚れを軽く除去。
- オイル・クリームの塗布：年に1〜2回、レザー用保湿クリームを薄く塗り込み、革の柔軟性を保ちます。
保管のポイント
- 直射日光・高温多湿を避ける：日焼けやカビの原因になるため注意。
- 通気性の良い場所で吊るす：木製や厚みのあるハンガーを使用。
- 長期保管時のカバー：不織布のカバーでホコリを防ぎつつ通気性を確保。
水濡れ時の対応
濡れた場合はタオルで水分を取り、陰干しで自然乾燥。
ドライヤーや直火は革を傷めるので厳禁です。
ショット（schott）の歴史・年代判別・人気モデルを知ればショットはもっと楽しめる
ショットは100年以上の歴史を持ち、ライダースジャケットの文化を築いたブランドです。
年代ごとのタグやディテールを知れば、古着市場で価値ある一着を見極めやすくなります。
特にワンスターや初期パーフェクトは希少性が高く、状態の良いものはコレクターズアイテムとしても魅力的。
購入時は偽物に注意し、本物のタフで美しい一着を選びましょう。
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