ダッフルコートといえば、真っ先に名前が挙がるのがグローバーオール(Gloverall)。
その重厚なウール素材とトグルボタン、伝統的な英国デザインは、時代を超えて愛され続けています。
この記事では、グローバーオールの誕生背景やブランドの発展、古着市場での評価まで、グローバーオールの歴史をわかりやすく解説します。

グローバーオールの歴史と誕生のルーツ
グローバーオールの歴史は、戦後のイギリス復興と深く関わりがあるのです。
その背景を知ることで、なぜグローバーオールが“英国アウターの象徴”と呼ばれるのかが見えてきます。

軍放出品から始まったブランド
グローバーオールは1951年、ハロルド&フレダ・モリス夫妻によって創業されました。
当初は、イギリス軍から放出されたダッフルコートを民間に販売するビジネスからスタート。
これが「Glover」と「Overall(作業着)」を組み合わせた社名「Gloverall」の由来となっています。
軍仕様をベースにしたファッションコートの誕生
放出品だけでなく、オリジナルのダッフルコートを製造するようになったグローバーオールは、素材・縫製・デザインをファッション仕様にアップデート。
厚手のメルトンウール、木製トグル&レザーループ、チェック柄ライニングなどが定番化し、ファッションアイテムとしての地位を確立していきました。
英国製にこだわるものづくり
グローバーオールは創業当初から一貫して「Made in England」にこだわり、英国の職人技術を大切に守り続けてきました。
1950年代後半にはロンドンの高級百貨店でも取り扱われるようになり「英国を代表するコートブランド」としての地位を確立していきます。
グローバーオールのファッションアイコンとしての進化とカルチャー係

グローバーオールは、単なる防寒着を超えた“スタイルの象徴”として、世界中のファッション愛好家や文化人に支持されてきました。
モッズやアイビーリーガーに愛されたダッフルコート
1960年代のモッズカルチャーでは、パーカやダッフルコートがアイコン的なアイテムとして浸透。
グローバーオールのダッフルは、その品質とクラシカルなデザインから、多くの若者たちに選ばれました。
また、アメリカ東海岸のアイビーファッションとも相性が良く、世界的な人気を博しています。
映画・ドラマでの着用で注目を集める
グローバーオールは、数々の映画やドラマの中でも登場。
特に英国映画で俳優が着用したことで「英国紳士の冬の装い」として印象付けられました。
そのクラシカルなシルエットと知的な雰囲気は、男女問わず人気が高いです。
現代ファッションとの融合とリバイバル
2020年代以降、クラシック回帰の流れの中で、グローバーオールのような「本物のアウター」が再評価されています。
ヴィンテージの人気も高まり、古着市場では90年代以前のモデルが高値で取引されるケースも少なくありません。
古着市場でのグローバーオールの価値と年代の見分け方
グローバーオールは古着市場でも人気が高く、特にイングランド製のダッフルコートはコレクター垂涎の一着です。
見分け方や特徴を知っておくと、掘り出し物に出会える可能性が広がります。

タグで見る年代判別のポイント
グローバーオールの年代を見分ける際は、タグのデザインに注目しましょう。
- 【1950〜60年代】白地にシンプルな書体のロゴ
- 【1970〜80年代】黒地にゴールドやレッドの刺繍タグ
- 【1990年代以降】洗濯表示タグが追加され、英語と他言語併記のものが増える
「MADE IN ENGLAND」の明記や、旧字体のロゴなどがヴィンテージのサインとなります。
代表的なモデルの特徴
モンティ(Monty):元祖ともいえるモデルで、軍用ダッフルをベースにした重厚なデザイン。
大ぶりのフードとロング丈が特徴。
- オリジナルダッフル(Original Duffle):より洗練された都会的モデルで、ミドル丈・やや細身のシルエットが特徴。
- ショートダッフル:現代的なカジュアルスタイルに合う短丈モデル。古着でも比較的流通が多い。
購入時の注意点とコンディションの見極め
ヴィンテージのグローバーオールは、ウールの虫食いやトグルの欠損に注意。
裏地のチェック柄が擦れていないか、レザーループが劣化していないかなどをチェックしましょう。
タグがしっかり残っている個体は評価が高いです。
グローバーオールのお手入れ方法と保管のコツ|ダッフルコートを長持ちさせるために

グローバーオールのダッフルコートは、高品質なウール素材を使用しており、正しい手入れと保管によって何十年も着用できます。
特に古着やヴィンテージアイテムを購入した場合は、メンテナンスが重要です。
ブラッシングで日常の汚れをケア
外出後は、馬毛などの柔らかいブラシで全体を軽くブラッシングしましょう。
表面のホコリや花粉、細かいゴミを取り除くことで、ウールの風合いを保ち、虫食いの予防にもつながります。
ポイント
- 毛並みに沿って、一定方向にブラッシング
- 週に1〜2回の頻度が目安
シーズン中の部分的な汚れは拭き取りで対応
袖口や裾などの汚れが気になる場合は、水で濡らして固く絞ったタオルや、ウール用の中性洗剤を薄めた布で優しく拭き取りましょう。
擦りすぎると生地を傷めるため、叩くようにして落とすのがコツです。
避けたいNG行動
- 熱いお湯の使用
- 洗濯機での丸洗い
- 強くこすること
シーズンオフにはクリーニングを活用
1シーズン着用したら、プロのドライクリーニングに出してから収納しましょう。
グローバーオールのような高級ウールコートは、汗や皮脂が残ったままだと虫食いや変色の原因になります。
クリーニング時の注意
- ウール対応の信頼できる店舗を選ぶ
- トグルやレザー部分は補強してもらえると安心
- 紙タグや繊維タグの破損にも注意
正しい保管方法で型崩れと虫害を防ぐ
グローバーオールの保管には、型崩れ防止と虫対策の両方が重要です。
おすすめの保管方法
- 厚みのある木製ハンガーで吊るす
- 不織布のスーツカバーを使用(ビニールカバーはNG)
- 直射日光や湿気を避けた風通しの良い場所に収納
- 防虫剤は1種類に絞り、衣類に触れないように配置
避けたい環境
- クローゼット内が湿気っぽい場所
- 防虫剤や乾燥剤を過剰に入れる
- 衣類圧縮袋での長期保管(型崩れやカビの原因になります)
グローバーオール(Gloverall)の歴史を知れば、冬の装いがもっと楽しくなる
グローバーオールは、戦後イギリスの再生とともに生まれ、ミリタリー由来の機能性と英国クラシックな美意識を融合させたアウターブランドです。
その歴史を辿れば、なぜ世界中のファッショニスタがこのブランドを支持するのかが理解できるでしょう。
ヴィンテージ市場での価値も高く、長く愛用できる一着として、古着好きなら一度は手に入れたい名品です。










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