アクアスキュータム(Aquascutum)は、英国を代表するラグジュアリーブランドとして、150年以上にわたり人々を魅了してきました。
特にトレンチコートやクラブチェック柄で知られ、古着市場でも人気が高いです。
この記事では、アクアスキュータムの歴史や代表モデル、年代ごとの見分け方、古着としての魅力を徹底解説します。

アクアスキュータムの起源とブランドの成り立ち
アクアスキュータムは、英国の伝統と革新性を融合させたブランドとして知られています。
その歴史をたどることで、現在の評価の背景が見えてくるでしょう。

1851年、ロンドンでの創業
アクアスキュータムは1851年、ジョン・エマリーによってロンドンのリージェント・ストリートに創業されました。
ブランド名「Aquascutum」はラテン語で「水(aqua)」と「盾(scutum)」を組み合わせた造語で「防水」を意味しています。
この名の通り、ブランドの原点は防水加工を施したウール生地の開発でした。
世界初の防水ウールコートを発明
エマリーは特許を取得し、防水性を持つウール生地を使用したコートを開発。
これがアクアスキュータムの代名詞となるトレンチコートのルーツです。
クリミア戦争(1853〜1856年)では、英国軍の将校たちが同社のコートを着用したことにより、世界的に注目を浴びました。
王室御用達ブランドとしての地位確立
アクアスキュータムは、長年にわたり英国王室御用達(ロイヤルワラント)を授かってきました。
エリザベス2世やチャールズ皇太子をはじめとする王族が愛用し、そのステータスは一流ブランドとして確固たるものとなります。
ファッションとしての進化とカルチャーとの関係

防水コートからスタートしたアクアスキュータムは、次第にファッションブランドとしての顔も強め、世界中のエレガントな人々に愛されるようになりました。
映画・セレブリティとの関係
ハンフリー・ボガート、マイケル・ケインなど、往年の映画俳優たちがアクアスキュータムのコートを愛用したことで「紳士の装い」としてのイメージが強まりました。
また、ハリウッド映画に登場したことで、海外での知名度も飛躍的に拡大。
クラブチェック柄の登場とブランドアイデンティティ
アクアスキュータムのアイコンとも言える「クラブチェック(Club Check)」柄は、1970年代に登場。
裏地やマフラーに多用され、バーバリーの「バーバリーチェック」に並ぶ英国チェックの象徴として広く知られるようになりました。
モードとクラシックの融合
2000年代以降はモダンなコレクションも展開しつつ、クラシックなラインは維持。
古着市場では特に、90年代以前のイングランド製コートが高く評価されています。
古着市場におけるアクアスキュータムの価値と見分け方
アクアスキュータムは、ヴィンテージコートやトラディショナルウェアを好む古着ファンからも絶大な支持を得ています。
長く着られる耐久性や上品なデザインが魅力です。

タグで見る年代の見分け方
年代ごとのタグの変化を知ることで、ヴィンテージか現行品かを見極められます。
- 【〜1980年代】クラシックな刺繍タグ「MADE IN ENGLAND」の表記あり
- 【1990年代】クラブチェック入りタグが登場し、英字フォントがモダンに
- 【2000年代〜】洗濯表記タグが付き、アジア製品も増加傾向に
タグ裏の縫製方法やライニングの仕様も重要な判別ポイントです。
人気の代表モデル一覧
- トレンチコート(Classic Trench):ブランドの象徴。ラグラン袖や比翼仕立て、クラブチェック裏地などが特徴。
- バルマカーンコート(ステンカラー):ミニマルで飽きのこないデザイン。オン・オフ問わず使える一着。
- クラブチェックマフラー:冬の小物として人気の高い定番アイテム。古着でも状態の良いものは高値がつくことも。
アクアスキュータムの古着を選ぶ際のポイント
- ライニング(裏地)の状態をチェック(ほつれや変色)
- ベルト・ボタンの欠損がないか確認
- 襟・袖周りの擦れや虫食いに注意
「MADE IN ENGLAND」のタグがあるものや、クラブチェック裏地の状態が良い個体は、高評価となる傾向があります。
アクアスキュータムとバーバリーの違いとは?

アクアスキュータムとバーバリーは、どちらも英国を代表する老舗ブランドであり、特にトレンチコートの名門として知られています。
似たイメージを持たれがちですが、それぞれのブランドには明確な違いと個性があるのです。
ここでは、素材やデザイン、歴史背景などの観点から両者を比較し、選び方の参考になるよう解説します。
ブランドの成り立ちと背景の違い
アクアスキュータムは1851年創業、ロンドンの中心地であるリージェント・ストリート発祥で、元々は防水コートの専門店としてスタート。
一方バーバリーは1856年創業で、トーマス・バーバリーによって発明された「ギャバジン」という独自素材を用いたコートで名を広めました。
アクアスキュータムは王族や政治家などの上流階級に愛された一方、バーバリーは軍用コートとしても普及し、幅広い層に知られる存在へと成長しています。
デザインとシルエットの違い
アクアスキュータムは全体的にクラシカルで控えめな印象のデザインが多く、柔らかく流れるようなシルエットが特徴です。
着心地や動きやすさを重視し、ビジネスシーンにもマッチする上品さがあります。
バーバリーはより構築的でシャープなシルエットが特徴。
ミリタリールーツを感じさせる堅めのフォルムや、エポーレット、Dリングなどのディテールが際立ち、力強い印象を与えます。
素材とチェック柄の違い
両者ともに高品質な素材を使用していますが、バーバリーの象徴的なギャバジン生地は撥水性に優れた独自開発の素材。
一方アクアスキュータムはウールやカシミヤなど、柔らかく高級感のある生地を多く採用しています。
また、バーバリーの「バーバリーチェック」は世界的にも有名なアイコンですが、アクアスキュータムにも「クラブチェック」と呼ばれる独自のチェック柄があり、落ち着いた雰囲気の配色が魅力です。
価格帯と購入層の違い
価格帯はモデルにもよりますが、両者ともラグジュアリークラスに位置します。
バーバリーは世界的ブランドとしての知名度が高いため、ファッション性を重視する若年層にも人気。
一方でアクアスキュータムは伝統と品質を重んじる層に支持されており、よりクラシック志向なファンに根強い人気があります。
アクアスキュータムの歴史を知れば、もっと魅力的に感じられる
アクアスキュータムは、英国で誕生した防水技術をルーツに持ち、王室や映画界、そして世界のファッションシーンに影響を与えてきた名門ブランドです。
伝統と革新を併せ持つアイテムは、古着市場でも高く評価され、長く愛され続けています。
ヴィンテージの一着には、歴史と気品が詰まっており、着る人の魅力を一層引き立ててくれることでしょう。










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